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NHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか」の取材記をKindleで読んだ

NHKの取材記

2012年に放送されたNHKスペシャルヒューマン なぜ人間になれたのか」の取材記がKindle版でセールしてたので読んでみたら思った以上に面白かった。

テレビ無いし受信料払ってないので放送は視聴していないのだがこれだけでも十二分に楽しめる内容になっている。

ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか

ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか (角川文庫)

人類とはなにかという壮大なテーマで色々と盛りだくさんなのだが、ここでは人間とチンパンジーの違い・共通点についてまとめてみた。

人類とチンパンジーの違い

http://www.natureasia.com/ja-jp/jobs/img/tokushu/tokushu_196_091210_1.jpg

その一つが助け合うかどうかだ。

人間は困っている人がいれば相手が求めずとも助ける行動に出る。チンパンジーはそうではない。

このような実験を行った。 隣り合う2つのブースにそれぞれチンパンジーを入れる。 片方にはストローを使わなければ飲めない容器を置き、もう片方にはステッキを使わなければ引き寄せられないジュースの容器を置いておく。 また、協力しなければジュースが飲めないよう互い違いにストローとステッキも配置する。

すると、どうなったか。チンパンジーは全体の59%において道具を受け渡した(少ないな)、ただし受け渡しの74.7%は相手の要求に応じる形で起こったのだ。

チンパンジーは助け合わない代わりに見返りも求めない。

一方、人間は分け与えるという行動パターンがインプットされている。

肝心なところが切れてしまっている、続きはこうだ。

次の行動は拾ったものをほかの人にあげることです」  それは世界共通だという。米国でも、欧州でも、日本でも、乳児は同じような本能的な行動パターンを示すという。

面白いのはこの「分け与える」という行為を行わないチンパンジーに関して「えーなんで」という印象を筆者や僕が抱いたことだ。 「いままで意識したこともない、人間の独自性が浮かび上がった瞬間だった。」とあるがまさにその通りだ。 チンパンジーは人類と99%同じ遺伝子を持つのだが、その1%の違いがここなのかと思わず唸ってしまった。

おそらく、「分け与える」という行為は森から草原に進出後に獲得したものではなかろうか。 草原に出てきた人類にとってそこは森とは違いあまりにも危険な場所だったのだろう。そんな環境の中、助けあうという性質がないものは生き残れなかったのではないか。

人類とチンパンジーの共通点

他の集団に対する攻撃性の高さだ。

食べるために殺すとか生殖のために戦うのではなく、ただ攻撃するために攻撃し相手を傷つけときには殺してしまうというのは確かにほかの動物では見られない行動パターンだ(イルカはどうだろう)。

こうして人類は攻撃性と利他性という相反する性質を持つことになった。

その結果、

その結果、人類は他者を敵か味方かで判断するという二元論的思考を手に入れてしまう。 敵に対してはどんなに相手が苦しもうとも共感することがない。 歴史を紐とけば虐殺、拷問、人間ハンティング、天然痘の毛布をプレゼントもうなんでもありの魑魅魍魎の世界が広がる。

さらに進化は続く

チンパンジーと袂を分かち、ホモ・サピエンスとして出アフリカしネアンデルタール人などの亜種を取り込みながら移動を続け地球上の隅から隅まで到達した。 そのなかで定住化、都市化、農業、文字の発明などを行い「文明」を高めてきた。 そして我々はどうあるべきなのかみたいに話は続くのだが興味あれば読んでみてください。

全体的な感想としては人間、人間の進化ってめちゃくちゃ不完全だなと。 自分自身、都市に住んでるけど都市に順応できてるのかって言うと怪しいし、他者と協力して何かをするというのもそんなに得意でないしどちらかと言うとチンパンジー的な「わたしはわたし、あんたはあんた」的な方がいいなとか思ってたり、分業するより自分で全部やったほうが楽しいよねとか考えたり(全部自分でやろうとすると確実に文明が衰退するそうです、てへ)してなんかまっとうに進化できてなくねとか考えたりしてちょっと凹んだりしました。

まあ、それでも何が生き残るかわからないので自分のような人間もいていいんじゃないかなと言い聞かせてみたりして生きていこうと思いました。