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ほのぼのしない日常系小説

レイモンド・カーヴァーの小説はそんな風に言える。

Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)

Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)

彼の小説は「リアリズム」というジャンルに分類されるそうである。

19世紀リアリズム小説は、ロマン主義の過剰への反動として成立し、様々な階層の日常的なキャラクターを登場させ、その日々の暮らしを通じて特定の時代、特定の社会を活写した。虚飾を排した平明な文体で、出来事や人物のみならず、話の展開に直接の関係を持たない些事や日常生活の細部を事細かに描出していった。
リアリズム(りありずむ)とは - コトバンク

「様々な階層の日常的なキャラクターを登場させ、その日々の暮らしを通じて特定の時代、特定の社会を活写した」とあるようにまごうことなき「日常系」である。

ただし、主人公は美少女ではなくアル中の施設に入所したおっさんだったり、自宅の前で家財道具を一切合切売りに出しているおっさんだったり、妻が盲目の友人を連れてくることに不平を言っているおっさんだったりする。

また、カーヴァーの極限まで文章の装飾をそぎ落とした文体は「ミニマリスト」と評されることもあった。

ミニマリストと聞くとカネもないし実力もない人たちがなんとかしてアイデンティティーと自己顕示欲を満たすために名乗っている名称という印象を持ってしまいがちですがこういう風にも使うんですね。

「短いほどいい(less is more)」や「God is in the detail(神は細部に宿る)」 といった考え方に共感を覚える自分にとってすごく好きな小説家だ。

ほのぼのはしないが、ラストの余韻に浸っているとなんとも気持ちがいい。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e1/Farnsworth_House_2006.jpg/1920px-Farnsworth_House_2006.jpg