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プロジェクトが遅れることに対して敗北感を感じて辛い

要約:物事が計画的に進まないんだけどどうすればいいのかな。

自由な環境でお仕事するようになって半年が経った。 そろそろ「自由だぜヒャッハーなモラトリアム期間」も終わりを告げようとし目の前の問題が気になりだしたので書いてみる。

自分が携わっているプロジェクトが自社プロジェクトと受託的なプロジェクトの大きくわけて2つあって、自社プロジェクトの方の進捗がよろしくない。 当初の予定よりも必ず遅れる。 遅れるという予測よりも必ず遅れる。

どうにかしなきゃいけないなと考えたが、まずは「我々にはそのような能力はない。ある期間内に我々ができることはもっともっと少ないのだ」ということを認識しなければいけないのではないか。

で、そのためには各自が抱えているタスクと業務に占める割合をざっと洗い出してその上でプラスアルファでできることは何だろっていうプロセスを踏まないといけないかなという考えに至っている。

カーネマンのファスト&スローによると人間は将来の見通しについて甘々でうまく見通すことはできないらしい。

ファスト&スロー (上) ファスト&スロー (下)

面白いのはファスト&スローの著者であるカーネマンも同様の経験をしているということだ。 ちなみにカーネマンは行動経済学の創始者であり、プロスペクト理論でノーベル経済学賞を受賞している人間の意思決定に関しての専門家だ。 そんな彼でも将来の見通しについては下手だという人間の宿命みたいなのがそこにはあってとてもおもしろい。

以下はカーネマンがイスラエルで教科書作成のプロジェクトに携わっていたときのエピソードだ。

チームは1年にわたって毎週金曜日の午後に集まり、シラバスの大筋を決め、教科書の始めの1,2章を書き上げ、教室で実験授業も何度かやってみるところまでこぎつけた。 なかなか順調である。 ある日、計画の中のいくつかの不確実な要素を確認している際に、私はふとある実験をやってみようと思いつき、メンバー全員に、教科書の最終案を教育省に提出するまでに何年かかるか予想して紙に書いてほしいと頼んだ。 集団から情報を聞き出すときの適切な方法は、公の場で討論することではなく各人の判断を非公開で回収することであり、この手順に私も従ったわけだ。 私は紙を回収し、結果を黒板に書きだした。 全員の予想は、2年を中心に狭い範囲に集中しており、最短で1年半、最長で2年半である。

そこで私はまたまた思いつきで、カリキュラム作りのエキスパートであるセイモアに対し、これまでに私たちと似たようなチームがゼロからこの手のプロジェクトに臨むのを見たことがあるか、と私は質問した。 当時は「新しい数学」のような教育改革がさかんに行われていた頃で、セイモアは相当数見たことがあると答えた。 そうしたチームの成り行きをこまかい点まで覚えているだろうかと重ねて訊ねると、いくつかのチームはよく知っているという答である。 そこで私は質問した。 「では、そうしたチームがいまの私たちの段階まで進捗した時点を思い出してほしいのです。 この段階から教科書の完成まで、何年ぐらいかかりましたか」

セイモアはしばらく黙ってからようやく答えたが、その顔は紅潮しており、自分で自分の答に困惑しているように見えた。 「そうだな、このことにまったく気づいていなかったのだが、正直に言うと、われわれと同じような段階に到達したチームの全部が全部、プロジェクトを完了したわけではない。 かなりのチームが、完成に至らなかった。」

これは懸念すべき事態である。 私たちは、失敗する可能性など考えてもいなかった。 私の不安は募った。 いったいどのくらいの割合で失敗に終わったのか訊ねると、おおよそ40%という返事である。 いまや部屋中に重苦しい雰囲気が垂れ込めた。 次に質問すべきことははっきりしている。 「では、完成したチームは何年ぐらいかかりましたか」。 これに対する答はこうだった。 「7年以下というチームはなかったと思う。 だが、10年以上かかったチームもなかった。」

私は藁をもつかむ思いで訊ねた。 「これまで見てきたチームと私たちを比べて、どう評価しますか。 私たちのスキルやリソースはどの程度のランク付けになるでしょうか」。 セイモアは今度は躊躇なく答えた。 「われわれは平均以下だ。 だが、大幅に下回っているわけではない」。 いやはや、全員にとって驚天動地の出来事である。 全員、というのはセイモアも含めてだ。 セイモア自身の予想も2年半以下の範囲に収まっていたことを忘れてはいけない。 私が質問するまで、彼はこれまでの経験といまのチームの将来予測とを結びつけて考えようとしなかったのである。

カーネマンがどのような決断を下したかも非常に面白いのだがここでは割愛するとして、問題はじゃあどうすればいいの?っていう現実的な回答が欲しい。

それの一つの回答がリーン・スタートアップとかアジャイルとかそういうことなんだろうか。

でも、アジャイルな開発手法を導入したらすべてかうまく行って彼女もできましたってなるかって言うとそうではないと思う。

いいモノができればそれでよしというのもあるんだけど、あの期間内に終わらなかったねという敗北感がすごく嫌なのでなんとかしたいなー。