吾輩は紙の本。名前はまだ無い。

電子書籍と対比してのわたし

電子書籍でない書籍、紙媒体としての書籍に世間的にコンセンサスが取れた名称というのがまだないということに気づいた。
ぱっと思いついたのが物理書籍だが、なんだかググラビリティもそんなによくなさそうだしいまいちなセンスだ。 単純に紙の本でもいいのだが、もうちょっと業務的に使えたりするようなかっこいい感じの言葉はないものだろうか。
ぐぐってみるとfixed-book(固定書籍と訳すのか?)、印刷書籍、印字書籍とかがまあ候補としてはあるようだが決め手になる言葉はないみたいでなんとなく文脈の中で区別しているみたいだ。

みんなはどんな名前で紙の本を読んでいるのだろう。「あのかさばる重いやつ」とか「枕代わり」とか「森林資源の浪費」などと呼んでたりするんだろうか。
こんな名前でわたしのところでは読んでいるよとかあれば教えて下さい。

そもそも書籍としてはおれは生まれた時からずっと書籍だったしいまさら新しい名前になれと言われても応じかねるというのが正直なところではないだろうか。
弟が生まれたから名前が変わってしまうのであればアイデンティティもへったくれもあったものではない。

ガラケー オンプレミス

ちょっと前、時期としては2009年、東京の看板が白くなった頃に突如としてガラケーという言葉が出てきた。
その言葉は今まで僕らが携帯と呼んでいたもののことを指すようだった。 f:id:snowlong:20160206182127p:plain

もう携帯はかつてのように携帯とは呼ばれなくなった。 蔑称的な意味合いの含むガラケーという名で呼ばれるようになった。 その理由はiPhoneという「スマートフォン」にカテゴライズされる携帯、今ではスマホと呼ばれるもの、が出現したからだった。

携帯といえば、国内メーカーが生産するSymbian OSの搭載された携帯電話のことだった。
それがある日突然、AppleによるiOSが搭載されたタッチパネル式の携帯電話がそれに取って代わった。

その後の栄枯盛衰っぷりはご覧のとおり、Apple時価総額世界一にまで登りつめ、国内メーカーは市場から撤退したり、巨額損失を出したり、台湾の会社に救済されたり、内定先を彼女に伝えたところ別れ話を切りだされたり散々だ。

同じような例として聞き慣れない人もいるかと思うが、オンプレミスという言葉がある。

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これも2009年から登場する言葉だ。
この言葉が生まれた理由は「クラウド」だ。 AWSなどのクラウド型のホスティングサービスと比較して旧来からある自前でサーバーを運用する形態に名前が必要になったのだ。
おそらく自前でサーバーを運用する形態が当たり前だったためオンプレミスという言葉以前にこの概念を表す言葉はなかったと思う。

今まで絶対的な存在であった何かが、yet anotherなものの登場により存在が相対化され再定義され新しい名前が与えられる。そして、yet anotherだった何かに片隅に追いやられ誰も見向きもしない存在になる。そうやって歴史は前に進んでいく。

で、紙の本に新しい名前がついてないってのはレコードとかCDが新しいメディアが登場しても名前が変わらなかったように、記録媒体は名前が変わらないという性質を持っているのかもしれない。

結論としては電子書籍目が疲れるし紙の本と比べても安くないから個人的にはそんなに嬉しくない存在だなーというところでしょうか。

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