フリーランスと筋肉
フリーランスおじさんになっていろいろあって開発することを仕事とするうえでの辛みを感じることが多い時期があった。
辛みの原因の多くは結局自分の体調不良が問題だったんだけど筋肉を意識するようになってかなり改善した。
人生の99.9%の問題は、筋トレで解決できる!というのは正しい。
べつに筋トレをしなくてもいい。
筋肉を意識して体を動かすだけでいい。
ブラック・スワンの著者であるタレブも反脆弱性の中で筋トレをするようになって生活が変わったということを述べていて驚いた(タレブ、お前もか的な意味で)。
もっとも彼の場合は実際に暴漢に襲われるという不安に対処するためだったが、マッチョになったことで暴漢が恐れをなして襲うのをやめたというシナリオはあまり現実味がない(本気ならば拳銃をつかうだろう)気がする。
それよりも筋トレにより男性ホルモンが分泌され、マッチョな自分の肉体を眺めることで心理的な安心感が得られ、それにより暴漢に襲われるという不安が和らいだというメリットが直接的な効果だろう。
なんにせよ、筋肉は大事だ。
我々は肉体から逃れることはできない。
少なくともわたしの場合は肩こりを業務中に意識しなくなってから格段に仕事の効率が上がった。
今までは一日の中で働けるのは3時間くらいだったが、それが6時間くらいになった印象だ。
夕方になると頭がぼーっとして思考が完全に停止するなんてこともなくなった。
やる気が湧いてきて目標というものがうんざりするものからモチベーションを高めてくれるものへと変化した。
SOFT SKILLSでもソフトウェアエンジニアにとって生き延びるために必要なのでは、筋トレ、瞑想、不動産投資(!)だとあった。
筋トレはわかる。
瞑想もスティーブ・ジョブズとかもそうだしZenとか大好きだもんね、わかる。
だが、なぜ不動産投資なのか。
真の自由を得るためには、自分からも社会からも自由な存在でなければならない。
社会からの自由を得るには経済的自由を手に入れなければならない。
つまりタレブのいうF**k you money を得るための不動産投資なのだろう。
日本と違ってアメリカでは人口は増加傾向にあるため不動産価格は今後も投資対象としてわるくないのだろう。
あとはrebuild.fm に出てくるひげぽんさんも筋トレ素晴らしい論者である。
筋トレの素晴らしい点は、運動音痴でもできる点にある。
いや運動音痴にこそ向いているのかもしれない。
人は楽をしよう、楽をしようと動作を無意識のうちに最適化してしまう。
スポーツする上はもちろんのこと、生きていく上でこれは素晴らしいことなのだが、筋トレに限って言うと逆だ。
筋トレにおいて最適化すると筋肉にかかる負荷が少なくなってしまい効果が薄れてしまう。
筋トレでは最適化はだめなのだ。
最後にこれが筋肉のいちばん素晴らしい点なのだが、比較的リニアにやればやった分の成果がでるという点にある。
おとなになってからやればやったぶんの成果が得られるという機会は減った気がする。
こどものころはちょっと頑張ればテストで100点は取れたし、50メートルのタイムは縮んだし、あと身長も勝手に伸びていった。
今日のデスクワークでやればやったぶんだけ目に見えて成果がでるということはほとんどなくて非線形な曲線を描くことがほとんどだ。
だけども、人間は線形なものを愛する。
そのためタスクを細分化して達成感を得られやすくすることでモチベーションの低下を防いだりする。
フィードバックが即座にあって線形にスキルが伸びていくもの。
たとえば、ソシャゲとか。
ただ、自分の人生において他人が金儲けのためにつくった暇つぶしに没頭するというオプションを行使したくはない(しないというわけではない)。
筋トレは(正しいやり方で)やればやったぶんだけの成果がでる。
30を過ぎた人間に成長などない。
あるのは老化だけだ。
ただし、筋肉は増加する。
わかりやすく目に見える形で。
フリーランスおじさんなので自分のことは自分でやらないといけない。
会社員でも自分のことは自分でやれよって感じだけどなんだか世の中会社員は安定してて守れらててぬくぬくとした立場で、一方フリーランスは一寸先は闇の不安定な職種として捉えられている気がする。
まあそれはいいんだけど、自分という肉体が(唯一の)資本であるのだから健康であることというのはとてもとても大事だ。
どうも自分は自由であるということにこだわりすぎる傾向がある。
人間は自由でなければならないという現代の思想(最近はちょっと下火だ)に感化されているのかもともとそういう傾向があるのかわからないけど。
みんなSNSで自分のことをアップしたり、同性愛者も結婚が認められるようになって喜んでたりやっぱり社会からある程度縛られたい、みんなから認められたいという欲求があるのだろう。
個人的には組織の中で個人だったら絶対やらないようなことをやる羽目に陥ったりする(人間をガス室送りにするなど)のが嫌でそういうのとはできるだけ距離を置きたいと思っている。
でもそういう人は当然だけど社会の中ではうまく生きられない。
ただ、個人として組織と対峙できるいまのフリーランスという職種はあっているのかもしれない。
己こそ己の寄るべ 己を置きて誰に寄るべぞ
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