プトレマイオスの「アルマゲスト」
ローマ帝国時代にエジプト・アレクサンドリアの天文学者プトレマイオスが「アルマゲスト」という天文学の古典とも言える書物を残している。
- 作者: プトレマイオス,薮内清
- 出版社/メーカー: 恒星社厚生閣
- 発売日: 1993/07
- メディア: 単行本
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これは150年頃に書かれた天文学と数学の専門書であり、過去、現在、未来を問わずある1日の太陽、月、惑星の正確な位置を算出する方法が記されていた。
西洋社会では12世紀になってこの「アルマゲスト」は「発見」された。
スペインのキリスト教徒が発見したアラビア語版が、ラテン語に翻訳されたことによる。
アルマゲストにおいての宇宙観は以下のようなものだ
地球は球体である。
ただし、地球は宇宙の中心であり動かない。
地球の大きさは恒星までの距離に比べて極めて小さく、数学的な点として扱うべきである。
2000年前の文明でどうやってこのような理論を構築していったのだろうか。
古代の人も現代人もどちらも生きていく上で重要なことは今が「いつ」なのかを知るということだ。
種をまくのに適しているのか、洪水はくるのか、これから寒くなるのかそれとも暑くなるのか。
それを知るために人々は試行錯誤し星の動きと季節の動きに関連があることに気づいたのだろう。
そして、そのことを知った彼らは未来を見通せるものとして人々を指導する立場に就いたのだろう。
なんにでもパターンを見出そうとする人間の思考回路は、無意識にパターンを見いだせる能力をもつものが未来を予測することができることで生存に有利に働きその結果獲得したものなのだろうか。
以下の動画はアルマゲストの中で記されている理論を視覚化したものだ。
地球を中心に置いているため惑星が逆行する独特の動きをしている。
そして、今日の東京の夜空に星は浮かぶことはないため僕らは星をみない。
星をみるとしたらプラネタリウムの箱の中だけだ。
そのときぼくらは未来を予測したりはしない。
参考