ガリガリ削った本を新品として販売する出版、書店について
個人的に紙の本が好きなので、電子書籍より紙の本を優先して買うようにしている。
ただ、ガリガリと本を削られた小口研磨された本に当たることがある。
残念ながらこれは許せない。
小口研磨とは何かというと、本の小口と天または地(下の図参照)をガガガッと削ることを言う。
当然、削れらていることで手触りは最悪。本を手にとったときにザラザラとしたいやーな感触がのこる。
下が小口研磨された状態の本。縦方向に線が入っているのが特徴。
小口研磨の例 pic.twitter.com/t2mPicXigH
— メダカに餌をあげる人 (@_snowlong) August 20, 2016
街なかの書店であれば研磨されている本は避けることができる、ただし欲しい本がすべて研磨されている状態であれば買うことができないのでとっても悔しい。
Amazonなどのネット通販では研磨されている本が送られてくるかどうかは完全な運である。
Amazonのカスタマーサポートにも問合せたがそのような選別は現状では難しいという回答をいただいた。
ただ、返品はOKと受け付けてくれた。ただし交換はできない。
そして、紀伊国屋のウェブストアでは研磨されている書籍が届いた場合、返品理由としては受け付けてくれないようだ。
・乱丁・落丁・汚破損 1)交換商品(正品)を宅配業者がお届けする際に、不良商品をお渡しいただく方法と、 2)「着払い」で弊社へご返送いただく、二通りがあります。弊社よりご連絡申し上げます。 ※細かな傷・折れ、輸送ケースの破損、帯の有無・破損、小口の研磨などにつきましては、交換対象外としてご容赦くださいますようお願い申し上げます。
キャンセル・返品はできますか? | 紀伊國屋書店ウェブストア よくあるご質問
問題はなぜこんなことが行われているのかということだ。
一度店頭に並んだ後出版社に返品された本は、それがどんな状態であっても、小口研磨という体の側面を削られる刑を受けなければいけない。
出版社的には本をきれいにしているつもりなのらしいが、はっきりいってこれは本を台無しにしているだけである。
それらの文字通りキズ物にされた本は書店から再度注文があった場合、他の新品と同様に店頭に並ぶことになる。
Webに情報があふれ、電子書籍が普及した現代において消費者が紙の本を選択するというのは本の手触りというものを重要視しているからではないのか。
なぜそんなこともわからず、台無しにした本を新品として売るのか不思議でたまらない。
このような機械で本を台無しにしている。書籍研磨機 本磨くん シリーズ
研磨機でガガガッ。きれいになったね、よかったね。
いやきれいになってないから、それ。
悪くなった部分を取り除いて新品と同じ値段で売る。 こんな商売が許されるのは出版業界ぐらいなものではないのか。 食パンのカビの生えた部分を取り除いて新品として売るのを想像すればそれがどんなにとんでもないことかわかる。
少なくとも、小口研磨された状態の本は定価の10〜20%割引きで販売するなどするべきだろう。 自分のような小口の状態よりも値段を重視する人たちも一定数いるのだから多様なニーズに応じて価格は柔軟性を持つべきであると思うのだが。
ただ、小口研磨についてこれから改善されることは正直なところ期待していない。 シュリンクしている業界のシュリンクしている分野でサービスが改善されるということは期待するだけ無駄だ。
長年の慣習に縛られて自分自身のおかしさに気付かない出版業界に改善を期待することも難しそうだし、Amazonがわざわざ紙のフィールドまで降りてきて改善するというのも難しそうだ。
不満をどこにぶつけてもなにも帰ってこないのであればもはや諦めるしかないのだろうか。
不満はなんでもここにある。